7月6日付けの読売新聞に「就職留年7万9000人」という記事が出
ていました。
今は大学全入時代と言われ、がんばって勉強しなくても、とりあえず
どこかの大学には合格できるとたかをくくっている学生が増えている
のではないでしょうか。
景気のいい時代、国民総中流時代と言われていた時はもう過去のこ
と。
平和ボケした日本の子どもたちが、まわりの環境がどんどん変わっ
ているにもかかわらず、精神だけは安穏として、ゲームや遊びに没
頭して、勉強は適当に、「なんとかなるさ」と甘い汁を享受した結果、
この「就職難」という大きな壁にぶつかってしまったのだと思います。
生ぬるい湯に浸かっていた学生達にどうやら企業がそっぽを向いて
しまっているように見えます。
現に、学生の質が足りず、予定数を採用しないという事態にまでなっ
ている企業も少なくないのです。
企業はどのような学生に働いてもらいたいと思っているのでしょうか?
それをよく考えてみれば、学生時代にのんべんだらりと過ごしていて
いいわけがありません。
最近はエントリーシートに出身大学を書かせない企業も多いと聞きま
す。大学名に左右されず、企業が本当に求めている人材をみつけだ
したいからだそうです。
でも、ふたを開けてみると、結局大企業に内定が決まるのは難関国
立大学や難関私立大学出身者が多数を占めてしまうそうです。
難関と言われる大学に合格しようとすれば、毎日の勉強の積み重ね
がとても大事になります。受験のための努力は、精神力も必ず高め
ることになります。
一方、最近では大はやりのAO入試や、一芸入試は大学側が生徒獲得のた
めに考え出した方策であり、完全に甘やかし入試です。
推薦入試自体が学力無視の入試制度に加担してしまっているという
見方もできるでしょう。
これでは学生達を甘やかし、ますます大学入試の低学力化を加速して
しまうことになります。
入試制度そのものをもう一度、学生の立場に立って見直してほしいもの
だと思います。
面接試験は厳しいものです。
どんなに就活のハウツー本を読んだところで面接で話をすれば、
努力した経験があるか、苦難や困難に立ち向かったことがあるかなどは、
すぐに見破られてしまうことでしょう。
現在、就活で壁にぶち当たっている人たちは、過去甘い生き方をして
いなかったかを反省するチャンスととらえ、今、会社に鍛えてもらって
いることに感謝し頑張ってほしいと思います。
そして、今小学校、中学校、高校生のみなさんは、いつか自分もその
ような日が来るわけですから、今からしっかり勉強してほしいと思っ
ています。
日本のこどもたちは、昔は世界のトップレベルの頭のよさでした。
それは、親たちが子どもに教育をつけることで豊かになると信じてい
たからです。
でも、今は教育という大切な大切なことがなおざりにされ、数年前に
は「ゆとり教育」というまちがった政策まで打ち出され、日本の子ども
達は「勉強をしない」ことではトップクラスになってしまいました。
勉強は就職のためにだけするのではありません。
このスマイルメッセージにも「なぜ勉強をするのか」という項目があり
ますが、結局は、いろいろなことを発展させていくことができるからな
のです。
自分の精神も、頭も、幸福感も、まわりの人も発展させていき、
幸福にしていくことができるもとになるのが勉強なのです。
社会の制度はもちろんいいものになってほしいとは思いますが、まず
は自分が何をしなければならないかということを、しっかりつかんで、
学生のたっぷりと時間のある時を無駄にせず、自分の成長のために
なることに時間を使ってほしいと切に願っています。